【人と企業は、もっと本音で話をしよう】 『ALLIANCE』

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終身雇用の時代が終わった今、雇用主と社員の新しい関係性の枠組みを提案する名著です!

ALLIANCE~人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用~』

「ALLINCE」は、国でいえば「同盟」、企業でいえば「提携」を指す言葉です。

 

忙しい方向けに本書の内容をざっくり3行でまとめます。

〇会社と個人が「信頼」に基づいた同盟を築くことが必須。

〇社員と会社の目標・価値観を揃える重要性。

〇会社は社員を通してネットワーク情報収集力を高める視点を持つ。 

こんな感じです。では、少し紹介させていただきますね。

 

働き方改革なんて言うけれど

本書はアメリカのシリコンバレーにある「リンクトイン」(世界最大級のビジネス特化型SNS)の創業者が書いた、「人と企業」の新しい関係についての提案です。「ここは日本なので、アメリカとは違うよ」という意見も聞こえてきそうですが・・・。

日本でも終身雇用が終焉を迎えつつあるという声は良く聞きますが、実感として体感している人は少ないのかもしれません。しかし、東芝やシャープ、JALといった大企業のニュースを見て、自分の勤めている会社は絶対安全だ!と言える人は、ほぼいないのではないでしょうか。ドラッカーの著書でも「歴史上はじめて、人間の方が組織よりも長命になった」という話もありました。

そんな日本において「働き方改革」が叫ばれる中、「人」に着目したシリコンバレーの成功の理由は、現代日本に住む人にも、一読の価値があります。

 

 企業と社員の新しい関係性

終身雇用制度が終わってしまった日本で、会社と社員はこれからどのように関係性を持てばいいのでしょうか。「従業員を家族のように思っている」と言っていた経営者が、次の日にはリストラせざるを得ない状況で、社員は何を信じることができるのでしょうか。

「私の会社はこれからもずっと私の給料を保証してくれる。」そう言い切ることができる人がどれだけいるでしょうか。なかなか簡単なことではありませんよね。

では、どうすれば良いのか。その答えが「信頼関係に基づく同盟」です。まず、会社の未来、社員の未来について誠実に話をする。お互いが同意できる点まで話し合う。曖昧にしない。

(企業が社員に対して)どれだけの期間あなたに勤めてほしいのか、という点についてはあいまいな言い方しかしない。会社の本音は「優れた」社員だけに残ってほしいのだ。どれほど長くいてほしいのかといえば・・・「いつまでも」だ。実は、この「あいまいさ」こそが信頼関係を壊している。「本書より」(カッコ)内は補足。

 

雇用を、時間を対価にする「取引」ではなく、お互いがメリットを得る「関係」だと捉えることが、本書の目的です。自立したプレーヤー同士が互いにメリットを得ようと、期間を明確に定めて結ぶ提携関係です。

「当社の価値向上に力を貸してほしい。当社も『あなたの価値』を向上させよう」(中略)「私が成長し活躍できるように手を貸してください。私も会社が成長するための力になりましょう。」社員は会社の成功のために時間と労力を投入し、会社はその社員の市場価値向上のために時間と労力を投入する。

 

その手法が具体的な事例と共に提示されているのが本書です。その目次には魅力的なキーワードが並んでいます。

・「家族」から「チーム」へ

・起業家タイプの人材を活かす

・誠実な対話で信頼を築く

・社員を通して世界を自社内に取り組む

・社員が得た情報を会社に還元させる などなど

この記事では、本当に一部しか紹介できていませんが、これからも働き続ける皆さんに、ぜひ読んでいただきたい内容です!会社と個人の関係だけでなく、個人の関係性の中でも、重要な考え方だと思います。

 

図書委員雑感

就職活動中の学生に特に読んでほしいなと思います。「自分と会社は対等な立場で契約をするんだ!」という視点を持つだけで、見えている世界が変わるのではないでしょうか。社会人を目指す方は、選ばれる立場ではありません。その会社に何が提供できるかを明確にし、選ぶ立場に立ってほしいと願います。

それから、経営の視点から考えると、なんとなく・・・が通じない社会になってきたのかなと感じます。ごまかしごまかしやってきた、いわば慣例といったものは、これから活躍していく若者には通じなくなってきているのでしょう。それこそ忖度の時代から、自分の意見をはっきり言う時代になったのかもしれませんね。会社も、社員も。

この本も、秘密基地で読めます!

 

創生塾図書委員 中川 康文

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